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議会人としての自覚はどこに?

先月の臨時議会で副議長に選出されて以来、甲府市議会の運営側の一員として今後の議会運営に携わることとなった。いわば議会という組織の「執行部」という立場である。慣例により、各定例会での質問登壇は控えることとなり、また会派代表も交代した。

就任後初めての議会会議として、5月29日に全員協議会を開催することとなった。テーマを2月17日の発生以来、関心を集めている庁舎窓枠落下問題にし、現在第3者委員会で検証が進められていることなどから、主に新人議員を中心に経過と市の対応状況の「情報提供」の目的で開催した。

全員協議会は、本会議や常任委員会などと違い、法的な根拠を持たないもので、情報交換や各種調整の場としてほとんどの自治体議会で設置されている任意的会議である。

従って、議決すべき「議案」はなく、当然のことながら当局に対する調査や審議という概念はそもそもない。

窓枠落下問題は発生当初から地元紙による議会制度を理解していない報道などがあって、おそらくこうした報道を通じてしか情報を入手していない新人議員に正しい情報を提供し、今後の議員活動に役立ててもらおうと、議長の温かい配慮により、「議会」として開催された全員協議会である。

この件については、改選前の総務委員会で審査、審議され、発生後の初動対応から緊急安全確保措置、業者による原因究明、第3者機関による検証開始など、勤務する職員や来庁者の安全を確保しつつ市民の不安解消のための一連の措置を当局からつぶさに説明を受け、徹底した議論を通じて議会側もこれを了承した。

総務委員会は計3回開かれ、第3回目は業者を参考人として呼び、委員による綿密な審査を行った。全て委員長である私があえて場の設定を行い、委員に発言の場を十分すぎるほど与えたものである。

改選までの間、議会の関与は十分行われ、今後の焦点は、原因の特定と第3者機関による検証を経てどのような恒久対策を講じるか、そして責任がどこにあるか、という点で当局議会双方とも共通理解したものである。

こうした経緯を前提として、29日の全員協議会で当局の出席を要請し状況説明、端的に言えば「情報伝達」を行ったものである。

当日の会議の冒頭、座長である議長からわざわざ会議が審査のためでなく「情報提供」の趣旨であることを全議員に示した。これは会議の趣旨を理解せずにスタンドプレーに走る議員が出ないとも限らないため、私の提案で入れてもらったものである。

ところがである。当局の説明終了後の質疑に移った瞬間、前総務委員会の委員であった議員から会議の時間設定について短すぎるとのクレーム発言がでた。これでは十分な質疑が出来ないというのがその理由のようだ。

明らかに全員協議会の場を「審査」の場にすり替えて、当局を追求しようという魂胆が見え見えである。テレビカメラ、新聞記者が多数取材に入ったことを意識したのだろう。相変わらずの小物ぶりである。

この発言に刺激されたのか、新人議員の一人が発生直後の市の対応について質問した。最初はやり取りを静観していたが、こちらもカメラを意識したのだろう、次第に「追求」モードにスイッチが入ってしまった。元新聞記者という経歴らしいが、ここは議会という基本的なルールの上で議論する場である。議長の冒頭の注意事項を聞いていないか、あるいは故意に無視したものだろうか。

そのあと総務委員会のメンバーであった議員からの発言もいくつかあった。

午前11時15分から12時までの予定時間で設定したが、当局説明とは全く関係のない質問に終始し、貴重な全員協議会の時間をロスさせてしまった。30分間で設定すればよかったと悔やまれる。30分もあれば説明時間としては十分だからだ。

あれほど、審査は総務委員会で所管してしっかりと対応し、議会としての当面の関与は済んでいるといったのにかかわらずこの事態は如何なものか。発言した新人議員もさることながら、総務委員会で十分議論したはずの当時の委員が会議の趣旨を無視して野放図な質疑をするとはである。’

特に怒りを禁じえないのは、初動対応とかその後の対応について総務委員会で徹底的に審査しているのに、初動対応にかかる新人議員の質疑に対して、「それは総務委員会で審査済み」という発言がどのメンバーからも出なかったことである。黙って座って他自治体より高い報酬がもらえるこの人たちは楽な商売である。

かの新人議員の発言内容をよく考えれば、それは当局に向けられたものであると同時に、当時の総務委員会に向けられたものであることになぜ気付かないのか?ここに「議会人」としての「自覚」をあえて指摘するのである。

案の定翌日の地元紙には、発生直後の市の対応を批判する記事が掲載されてしまった。2次被害が発生していないにもかかわらず当時の市の対応に手落ちがあったかのような事実無根の内容である。それはとりもなおさず、「議会は何をしていたのか」ということにもつながりかねない。地元紙も不勉強な記者が記事を書くからなおさらである。

こうした事態を目の当たりにしたとき、現行の制度のほころびを改めて感じる。議員の発言に対して、当局からの「反問権」、端的にいえば「口答えする権利」がないこと、また他の議員に対して直接反対意見を述べるための「議員間討議」のシステムが欠落していることから、議員の単独プレーが横行するのである。こうなるとただ声の高い議員が主導権を握る。あまりにレベルが低すぎる。

これでは、一体、議会は「組織」といえるのか?単に議員の集合体であり、本会議とかはこうした議員個人に「場」を提供するだけに過ぎないものとなっていないか?だから議会に対する不要論とか批判が出てくるのではないか?

議会人として、私は来る総務委員会でこの記事をとりあげて、徹底して投げかけをする予定である。それが副議長就任時のあいさつのとおり、「真に市民の負託に応えうる議会」へと変えるための戦いの第一歩だからだ。

議会がこの闇から抜け出せるか? 議会がこの闇から抜け出せるか?

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