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総務委員会行政視察(1)~富山県高岡市~

甲府市議会総務委員会は、10月14日から16日の日程で行政視察を行った。今回は、富山県高岡市、石川県金沢市、新潟県上越市を視察した。

初日の14日は高岡市にお邪魔し、現在どの自治体も喫緊の課題である、「人口減少社会と地方創生に向けた取り組み」について状況をお伺いした。

高岡市の人口は現在約176,000人、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、2060年には92,000人にまで減少するとされている。これを125,000人で食い止めようという人口ビジョンを策定中だという。

当然出生率の回復策と人口流出の阻止を施策の方向性として定め、特に若者世代の定着を実現するための基本目標を中心に据える「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定中だそうである。

高岡市は前田利長により高岡城の城下町として開かれて以来400年の長きにわたる伝統的な産業として、銅器、漆器などがあり、モノづくりの心と技が脈々と受け継がれている。

ただ近年の社会経済状況の変化のもとでは、若者を引き留めるだけの産業とはなり得ていないことから、いかに若者世代が定着するための「仕事と住まい」を提供するかが重要な課題となっている。これは地方都市に共通する課題と言ってよい。

関西圏へのアクセスの容易性から進学先も関西の大学が多いようであるが、地元には富山大学という国立大学もあり、産学官の連携によって市内に魅力ある産業を樹立することも急がれる。

高岡市は富山市と金沢市という二つの大都市に挟まれているという立地条件から特に女性が金沢市に流出するという事態に悩まされてきたと同時に、隣接市が都市計画法の線引きがされていないことから、住宅開発が周辺市に流れてしまうというジレンマがあった。

総合戦略では、「文化の力」によってまち・ひと・しごとに活力を呼び起こそうとする。これによって、若い人や女性が夢や希望、生きがいをもっていきいき暮らせるまちを目指す。そのために4つの基本目標と基本的方向を挙げている。

基本目標①として「魅力的なしごとに挑戦できるまちをつくる」。具体的な目標として2019年までに創業件数600件、2020年までに観光客入込数450万人を目指す。

そのために、地域産業の競争力強化、ものづくりの魅力の発信による販路の拡大、戦略的な企業立地の推進による産業集積の促進、創業支援による新事業の創出と企業の促進、魅力的な観光地域づくりと広域観光の推進 を基本的な施策の方向と定める。

基本目標②として「多様なひとが住みたいと感じるまちをつくる」。具体的な目標として、2020年に転入・転出を均衡させる、とする。

そのための基本的な方向として、若者、女性など多様なひとの定住の促進、大学生のまちづくりへの参画と定着の促進、まちなかにおける安全・安心な生活環境の整備と居住の促進を挙げる。

基本目標③は「安心して子どもを産み育てられるまちをつくる」。具体的な目標として「この地域で子育てしたい」割合の増加、10歳未満の子供数を2020年までに2015年対比で+100人とする。

特徴的な方向として、地域の文化に誇りと愛着を持つ子どもの育成を目指している。

基本目標④は「快適に暮らせ、創造的に活動できるまちをつくる」。具体的な目標として、中心市街地居住人口を2020年14,454人に、公共交通人口カバー率2019年度81.4%、クリエーターの増加人数2019年度までに50人増加とする。

その基本的な方向として、コンパクト・アンド・ネットワークの推進による快適な生活と持続可能な都市経営の確保、広域連携による活力ある経済・生活圏の形成、「創造の場」の形成による創造的な活動の活性化を掲げ、特に、周辺都市と一体となって、「連携中枢都市」、多極ネットワークの形成を目指している。

こうした基本目標を実現するため、8つのキープロジェクトを今後重点的に実施する。

高岡市の苦労を伺う一方で、伝統的な祭りである「高岡御車山祭り」(毎年5月1日)の存在を知った。これは、豊臣秀吉が時の天皇を聚楽第に迎えた時に使用した御所車を前田利長公が高岡城を築城した時に町民に与えたことが始まりとされている。

現在7基ある御車山は国の重要有形民俗文化財。無形民俗文化財に指定されており。金工、漆工、染織などの優れた工芸技術が凝縮されている山車である。市ではこれを後世に伝えるために御車山快感を今春オープンさせ、伝統的なまちなみ群とあわせてまちづくりの重要な拠点として活用を図っている。’

甲府市は高岡市より歴史が古く、もうすぐ500年を迎えようとしている。高岡市が地域資源としての人の育成、そして開市以来の歴史的伝統的な産業の維持、祭りの保存など、市の在り方、将来像を明確に意識したうえで何をすべきかを考えていることを参考に、これから大きな歴史的な節目を迎える我が市が人口減少を克服し、地方創生につなげる強い方向性を打ち出すことが急務となっている。

月並みな言い方だが、「甲府らしさ」。そのもとに多くの人がつどい、しごとが生まれ、まちが形成されていく。出発点はどこまでも故郷に愛着と誇りを持つ「ひと」だろう。

高岡市の土蔵造りのまちなみ 高岡市の土蔵造りのまちなみ

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