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会派視察(5)~松本市その2~

松本市の視察事項の2つ目は「子どもの権利に関する条例」についてである。

国連「児童の権利に関する条約」が 1994年に批准されてから20年が過ぎている。この条約の理念を地域の中で子どもの支援やまちづくりに活かすことを目的として、松本市では平成25年3月に条例を制定し、同年4月から施行された。

条例制定に至るまでは4年の月日を費やしている。その端緒は、平成21年度の「子ども部」の設置である。その際に市長から子どもの権利についての検討が指示された。

平成23年度からは「子どもの権利検討委員会」を設置、19回の委員会審議を経て、24年11月に条例化の必要性も盛り込んだ最終報告書を提出し、これをもとに条例案を練り上げ、パブリックコメントを経て25年2月議会で可決成立したものである。

松本市は前述したように、「健康寿命延伸都市」の創造を基本理念としており、このもとで「すべての子どもにやさしい」まちづくりを目指すことが、条例の前文に謳われている。紹介すると、

① どの子もいのちと健康が守られ、本来もっている生きる力を高めながら、社会の一員として成長できるまち

② どの子も愛され、大切に育まれ、認められ、家庭や学校、地域などで安心して生きることができるまち

③ どの子も松本の豊かな美しい自然と文化のなかで、のびのびと育つまち

④ どの子も地域のつながりのなかで、遊び、学び、活動することができるまち

⑤ どの子も自由に学び、そのための情報が得られ、支援が受けられ、自分の考えや意見を表現でき、尊重されるまち

⑥ どの子もいろいろなことに挑戦し、たとえ失敗しても再挑戦できるまち

この6つのまちづくりを実現するために、条例では各機関の役割を定め、それぞれに具体的に何をなすべきかを規定している。

当然、条例に規定したまちづくりを具体的に進めるため、「子どもにやさしいまちづくり推進計画」の策定を義務付け、またその進行管理等を担う「子どもにやさしいまちづくり推進委員会」を設置している。

推進計画は条例で定められた施策の方向性に沿って具体的な事業を当てはめ、実施していくもので本年度を初年度として31年度までの5年間を計画期間と定めている。

このほかの具体的な取り組みとして、①子どもの権利相談室「こころの鈴」の設置、②子どもの権利フォーラムの開催、③子どもの権利パンフレット配布、教職員研修会開催、④他都市との子ども交流事業の実施、⑤まつもと子どもスマイル運動の実施、⑤子ども未来委員会の開催、などがある。

条例の全貌については、松本市のホームページを参照されたいが、本市においてもこれまで、子どもは地域の宝、甲府市の宝として、子どもを施策の中心に置いた取り組みを行ってきたが、松本市のように、子どもを改めて「権利主体」として確立し、これを出発点としてまちづくりの方向性を定めている点は、あらゆる世代の共通認識として「社会の持続可能性」を考える上で子どもが主役となる必要が意識された結果だと考えられる。

この点での松本市の慧眼に敬意を表するところである。地方創生が喫緊の課題と言われる現在、子どもたちが生まれ育った地域で大切に育まれ、のびのびとした成長を実感できることこそ、将来彼らが地域に戻ってきて、次の時代の頼もしい担い手となってくれることが現実感あふれる期待となるだろう。甲府市でもかような条例、取り組みを急ぐべきである。

IMG_1006 松本城の遠景

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