平成29年度がスタートした。
3月定例会は21日に閉会し、この間予算特別委員会で条例案、新年度予算を審議し、いずれも原案通り可決した。
一般会計は730億円強、歳入の市税収入は約287億円(構成比39.3%)を見込み、歳出で最も多い経費は民生費約304億円(構成比41.6%)と少子高齢化を背景に益々増大する社会保障費の状況を如実に示している。
平成29年度は、樋口市政が任期折り返しの年にあたり、昨年スタートした第6次総合計画、市長の公約を具体化する重点戦略プロジェクト、さらには地方創生の具体的な内容を規定した総合戦略など、10年後の都市像の実現を目指した様々な施策・事業を加速度的に進めるうえで重要な年度である。
いうまでもなく、我が国が直面する人口減少局面にあって、様々な課題解決にあたる主体的な努力を通じて本市がいかにして選び取られる都市へと脱皮していくか、正念場を迎える重要な時期にあることは確かである。
特に、2年後の2019年は開府500年を迎え、同時に市立動物園の100周年、翌年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年の信玄公生誕500年など、いくつかの重要な節目を迎える。
2027年にはリニア中央新幹線の開業が予定され、本市南部に新駅ができることが決まっているなど、今後の本市にとって経済的にも生活環境的にも大きな変貌を遂げようとしている。
周辺がにわかに色めき立って、いかにリニア開業による利益を最大限に生かすためのまちづくりについていろいろな議論がされている。
重点戦略プロジェクトに「稼ぐまち 稼げるまち」の実現と施策目標が掲げられていることから、そのための方途として内をすべきかについても議論がされている。
29年度予算はこうした背景のもと編成が行われ、多くの新規事業が計上された。その中には我々の主張も様々反映されている。
何回かに分けて特徴的な事業について紹介していきたい。
初回の今回は、本市への居住を後押しするための支援事業をまず紹介したい。
最初に取り上げたいのは、遠距離通学者に対する通学定期券の補助である。これは、月額1万円を限度に定期券代の半額を補助するものである。
本市から八王子、立川にある大学へ通学する学生は結構存在する。大学近辺に下宿すれば、通学等には便利だが、家賃や生活費等物価の高い都内での生活は相当の負担となる。なおかつ、現地にお金が落ちるゆえ、甲府市の経済にとっては「持ち出し」となりマイナスである。
甲府から通学することにより、必然的に持ち出しはなくなり、経済の地域内循環の見地からは大きな効果が期待される。これは定期代の補助コストを差し引いても大きな施策効果を生み出し、「稼ぐ」という目標に資するものと言えよう。
また、子育て世代へのサポートして、子育て支援アプリの導入、子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)の創設、産後ケア(通所紙業)への助成などあらたに導入された。
また面白いと思ったのは、若者の晩婚化などの課題克服のために、学生による挙式プロデュースを行い、結婚観の醸成に役立てようという事業がある。
こうしたインセンティブが最大限効果を発揮するための一つの方途として、SNS利用による口コミ拡散が重要となってくると勝手に思っている。
同じ世代同士による情報交換は公的な媒体を使うよりはるかに広範囲に拡散する。口コミによるネットワークは思った以上に強い。彼らの口の端に上ればチャンスである。そのための行政による情報発信よりライトな感覚が求められる。
次回は、観光や開府500年にかかる予算について紹介していく。