郡山市での視察項目の3番目は、平成13年に完了した「郡山駅西口第1種市街地再開発事業」であり、その中心は再開発ビルの「ビッグアイ」である。
事業は昭和50年に都市計画決定されて以来およそ四半世紀の時を経て完了した。施行面積は約3ha、総事業費は約339億円の大型プロジェクトである。
そのうち中心となる再開発ビル「ビッグアイ」は延床面積51′, ‘900㎡、地上24階地下1階で最上階にはギネス登録されたプラネタリウムが設置されているふれあい科学館がある。今回はそのビッグアイについて、実地視察した。
ビッグアイの各階の構成は、次のとおりである。
(1)商業施設「モルティ」1~5階(13,800㎡) (2)市民プラザ 6~7階(6,300㎡) (3)県立郡山萌世高校 8~14階(9,800㎡)
(4)事務所フロア 15~19階(5,500㎡) (5)郡山市ふれあい科学館 20~24階(4,300㎡)
ビッグアイの管理運営業務は郡山市や商工会議所、地元地銀党が出資して設立された「郡山駅西口再開発株式会社」が行っており、共用部分の管理等を行う「ビッグアイ管理組合」、商業施設部分の権利者で構成される「モルティ店舗施設共有者会」から委託ないし一括賃貸を受けている。
ビッグアイ全体の入館者数はオープン当初の410万人から徐々に減少し、最近は270万人前後で定着している。これに対して、ふれあい科学館は40万人、市民プラザは35万人前後で堅調に推移している。
こうした公共スペース利用の場合も駐車料金の割引はないとのことで、公共交通機関を利用したり、あるいは駐車料金を払っても訪れるのか興味を引くところである。
駅周辺の歩行者通行量も平成6年の約13万人から昨年は約5万人と毎年減り続けている。この間、郊外の大型店舗の出店などもあり、その影響もあると思われるが、ビッグアイを核とした駅周辺のニーズは依然大きなものがあると感じる。
郡山市も人口が30万人超の中核市であり、新幹線の停車駅である郡山駅はさすがに人口の多さを感じさせる賑わいがある。
ビッグアイ自体オープンから10年以上が経過し市民の間に完全に定着していると思われ、市民プラザや科学館などの公共施設併設がうまく機能しているようである。もちろん商業床についてもそれぞれが企業努力していることは言うまでもない。
こうした立地の優位性を最大限に生かし、駅周辺の活性化が市全体をけん引していくことが今後の大きな課題であり、特に人口減少局面でよりコンパクトなまちづくりへどの自治体も智慧を絞っていくことが求められることを考えると、ビッグアイの今後に注目したい。