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会派視察(1)

10月31日から11月2日の日程で、私ども市議会公明党は県外調査を行った。

調査先及び調査項目は、鳥取県智頭町「移住定住促進策」、岡山県倉敷市「おもてなしマイスター制度」、広島県広島市「平和記念資料館」である。

初日の31日は智頭町の移住定住促進策である。中国地方は地域おこしの先進的な取り組みを行っている地域が多く、これまでも幾多の報告を目にしたが、智頭町の名前は「森のようちえん」というユニークな取り組みが成功事例として報告されているのを昨年ある書籍で知って以来、一度は訪問したいと思っていたところである。

たまたま昨年は10月下旬に鳥取県を襲った地震の影響で直前に視察を断念した経緯があったため、今年改めて調査を申し込んだ次第である。

言うまでもなく地方創生の取り組みは人口減少という全国の地方都市が直面している課題を克服するためのものであり、それぞれの地方がその個性に応じた対策に知恵を絞っている状況である。

全国的にみてもUJIターンの取り組みは多くの自治体で力を注いでおり、いまや都市間競争の最前線にあるといえる。どの自治体も自分のところが選び取られるために様々な施策が展開されており、移住者・定住者獲得のための助成制度も競争にさらされ、目新しいものでなければ見向きもされない状況になりつつある。

智頭町でもこうした移住・定住促進のための様々な制度がある。以下順に紹介していくが、

その前に智頭町について概略触れておくと、鳥取県の南東部に位置する人口7000人の中山間地域で、かっては全国有数の杉の産地で人口も14000人あった時期もあるが、将来的には、3000人にまで落ち込むと言われている。

中国地方は地域おこしの先進地域が多いと言われているが、智頭町の担当者は、何もしなければ地域が消滅しかねないといった危機感がその背景にあると指摘している。

だからこそ、どの自治体も移住・定住施策に心血を注ぐのだという。

移住希望者が何故智頭町を選ぶのか?それは、・森のようちえんの存在 ・住民主体のまち(100人委員会、1/0村おこし運動など→智頭町のHP) ・イベントが多く元気がある という声が圧倒的である。なかには是非とも森のようちえんに通わせたいために移住するという子育て世代の方もいるという。他にはない大きな魅力を感じているからだろう。

2.こうした移住希望者には、移住定住コーディネーターを1名配置して、空き家バンク制度を利用してマッチングを行っている。毎年100件前後の問い合わせがあるようだ。

3.また、移住者獲得のため、東京・大阪を中心とした相談会を開催しているが、①県主催の夏冬2回ずつの相談会、②1市6町合同の相談会(年2回のふるさと回帰フェア)、③森のようちえんと合同の町単独の相談会、と多くの機会を設けている。

こうした移住希望者等に対して町が用意しているメニューには次のようなものがある。

(1)UJIターン住宅支援事業 町外から移住する者又は空き家所有者の住宅改修等に対して100万円を限度に費用の1/2を助成する制度

(2)空家家財道具等整理補助金 20万円を限度に10/10の補助率

(3)UJIターン者受入自治会等支援事業補助金 歓迎会等の経費について2万円を限度に補助

(4)定住促進対策事業 町に住所がある45歳未満の夫婦の住宅改修経費等への補助(100万円を限度に経費の1/2)

(5)定住促進対策事業 町に住所がある45歳未満の夫婦の宅地取得経費等への補助(100万円を限度に経費の1/2)

(6)定住促進対策事業 町に住所がある45歳未満の夫婦への家賃補助(月1万円、ただし最長3年間)

(7)リフォーム助成 町に住所がある者の所有家屋のリフォーム経費の1/2を補助。3世帯以上の居住者がいる場合、中学生以下の居住者がいる場合は40万円、それ以外は20万円。

(8)空き家再生住宅改修事業 町内の使われなくなった空き家を10年間町が無償で借り上げ改修し、町外からの子育て世帯の移住先として提供する

(9)体験移住のためのおためし住宅の整備

(10)定住促進賃貸住宅2棟整備 40歳までの子育て世帯に家賃35000円で提供。

その結果、平成22年度から現在までに、こうした施策に乗った移住者は97世帯、231人となっている。ただし、担当者の説明によれば事業によらずに移住した者もいるため、移住者はもっと多くなるという。

今後の問題点としては、提供できる空き家が少ないこと、就職先が少ないこと、受け入れ集落と移住者のマッチング、などがあるという。

移住者が定住者として定着するためには、いかに集落に溶け込むことが出来るかという点が大きなウェイトを占める。とともに、日常生活を営むための生活の糧をどう得るか、も大きな課題である。

多くの成功事例を見ると、何種類もの仕事を組み合わせて「生活費」をひねり出すことが出来れば豊かな自然と温かい人間交流の日常はかけがえのないものとなってくるという。

そこには、利便性と引き換えに多くのものを失ってきた事への反省と、住んでる地域、これから住もうとする地域への限りない愛着が強ければ強いほど再び人が集まってくるということが事実として存在する。

様々な支援施策ももちろん重要であるが、そればかりでは移住者を呼び込むことは難しい。移住希望者をとらえて離さない何かが必要である。それは豊かな自然であったり、面白い人間関係であったりする。

それがおそらく選び取られる地域の「魅力」ということに他ならない。わが市にとってそれは何だろうか。
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