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任期終了を前にして~再度の振り返り~

今期の最大テーマは何といっても中核市に移行する甲府市の議会として「ふさわしい」あり方へと改革を行うことである。

2元代表制といい、機関競争を、と訴えてきたが、その理解を得るために3期12年を要してしまった。いかに制度に目を向けさせるか、いかにこれまでのあり方が制度疲労を起こしてしまっていることを実感してもらうか、いかに意識を変えてもらうか、実に難儀な戦いだったと改めて思う。

「機関意思」ということについていかに理解している議員が少ないことか。未だに議員は「一人親方」といってはばからない議員がいることには驚いた。その打破のため、中核市移行、開府500年、新元号の誕生という機会をとらえて、明治維新になぞらえて甲府市議会の「令和維新」という戦いを起こしたのが今期だった。

その中核としたのは、議員同士が議論を戦わせて議案に対する「落としどころ」を探っていく議員間討議の創設、そして、「機関として」審査する委員会審査のあり方の改革、である。

先日、ある旧知の知人から、議会は話し合いの場であるのに、議員同士で話し合うのを見たことがない、というご指摘をいただいた。個々の議員が執行部と質問のやり取りをする場面はあっても、議員同士が一つの議題について議論を戦わすのは見たことがないという。

この指摘はもっともである。現行の法制度のもとでは、議員同士の議論の規定はない。これは議員の側からは一般的にはラッキーかもしれない。なぜなら黙っていればぼろが出なくて済むからだ、という指摘もあったほどだ。

しかし、議会が議事「機関」である以上、その意思を決定するのに内部での徹底した議論もなく、また、いいか悪いかだけではなく、他の選択肢も議論の過程で生まれる可能性も探らずに妥当な結論が出るとは私は思わない。議会が執行部の「追認機関」と揶揄されるのは、提出された議案について、現状分析、課題抽出、解決案の模索といった作業を議員同士の議論でやってこなかったからだ。
議会広報には審議結果しか記載されないから、どういう議論があって、どういう経過でその結果が導かれたのかは全く市民に対しては伝えられていない。だから議会が何をやっているのかさっぱりわからない、議会などいらないのではないか、といった批判が議会に対して向けられる。

こうした批判にこたえるために、議員同士の徹底した議論と第3の選択肢はないか、と常に問い続けることを議会が努力するための制度として「議員間討議」の制度を甲府市議会にも導入することに成功した。

また、委員会審査、特に重要な決算、予算の各委員会での審査のあり方について、疑問を投げた。地方自治体で各種事業を執行するためには、当局が予算を作製して議会に議案を上程し、議会では通常は委員会審査を経て本会議で採決して当局の事業執行、という流れになる。

委員会審査では、最初に当局から議案の内容説明があり、各委員から「質疑」を行い、質疑が出尽くしたところで委員長が質疑終結を宣言し、討論を行った後、採決となる。初当選以来違和感を感じ続けてきたのがこの委員会審査である。

まず、「質疑」といいながら「疑義を質す」という本来の意味を超えて自分の「意見」を当局に一方的に「押しつけ」るようなやり方が横行していたことである。加えて「要望」という全く位置づけが不明な言葉で締めくくるというのが長い間のやり方だった。

本来、「質疑」というのは判断の前提としてわからないところや不明なところを明確にする意味での「疑義を質す」以上のものではないはずである。質疑と称して一方的に個々の議員が自分たちに「意見」をぶつけてきても、対応は困難である。なぜなら、議案は「議会」に提案されているのであり、「議会」としての答えを求めているのであって、個々の議員の意見を求めているのではない。「議会として集約した意見を持ってきてくれ」という当局の心のつぶやきが聞こえてきそうだ。

昔自分が要望し、意見したことに当局が全然対応していない、と切れ気味に委員会で発言している議員もいるが、個人の意見要望に過ぎないものに対応するか否かは当局の判断であり、議員が言ったからと言って義務的に拘束されるなどナンセンスである。つい最近までこんなやり方がまかり通っていたところに改革を阻む旧態依然のガラパゴス的発想に議会がとらわれていたことを意味する。

また、「審査」といいながら委員がどういう基準でどういう審査を行ったのか表明し合う場がなく、討論という制度はあっても極めて儀式的なものに過ぎず、執行当局に「議決」という答えを返すのに、審査内容がどうであったかは全く明らかにされていない。

こうした点を改革するために、質疑と意見表明の峻別、質疑終結後の委員同士の議論のぶつけあい、そのプロセスにおいて発見された執行上の「注文」つけ、を議会基本条例制定作業で提案した。

以上のことは、実は、2元代表制といいながらその本質が執行機関と議決機関である議会との「機関競争」にあるということを甲府市議会史上初めて明らかにしたという点で意義深いものである。

4期16年でようやく甲府市議会が中核市議会としてスタートラインに立った。問題はこれをうまくオペレートする人材が果たしてどれだけ出るか、であり、今回の市議選はその辺が問われるよう予感がする。
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