10月25日視察2日目は宿泊地宇都宮市から宮城県富谷市に移動し、午後から座学と施設視察を行った。
冒頭、市長さんから直接歓迎のお言葉をいただき、大変恐縮した。富谷市のご紹介をしていただいたとき、久しぶりに大きな衝撃を受けた。
富谷市は昭和35年(1960年)から令和2年(2020年)までの60年間、驚くことに人口が一貫して増加しているとのこと。その結果、平成28年10月10日、合併せずに人口5万人の単独市制を施行した。住みよさランキング、街の住みここちランキング、住み続けたい街ランキング、住み続けたいランキングのいずれも県内、東北地方で常に上位に位置している。隣接が仙台市ということもあって、仙台市のベッドタウンとして発展してきたようだ。
また、庁舎についても、積み立てた基金を財源にして借金ゼロで建設したという。市長のお言葉に触れたときに住み続けたいランキング等の上位にいることが納得できる。
今回、「低炭素水素サプライチェーン実証事業と追加実証設備」を視察した。富谷市総合計画で、地球環境への貢献につなぐエネルギー地産地消のまちづくりをめざすとして、脱炭素社会形成に向けた取り組み、エネルギー地産地消を目指した取り組みを検討してきた。
この実証事業は環境省委託事業で、市内の太陽光発電の電力を活用して水を電気分解し、製造された水素を吸蔵合金を用いたカセットに貯蔵し、生協のトラックや既存の配送網により店舗、一般家庭、児童クラブに配送し、各施設に設置した燃料電池を用いて発電や給湯に活用するという内容である。製造した水素をカセットで運ぶという点に興味がわく。これを使用する側は純水素燃料電池で、発電、熱回収などが可能となるということである。実用化に向けては様々な課題があるが、低炭素でエネルギーを作り出す、という点で注目に値する。
同設備では停電時等の非常時にも水素を製造できるよう、てんぷら油などから精製したバイオ燃料等を使う水素混焼発電機を設置し、非常時での業務継続に備えている(BCPモードと呼んでいる)。
ゼロカーボンシティに向けた取り組みとしてはこのほかに、啓発事業(FCバス試乗会、水素エネルギーシンポジウム、フォーラムなど)、県内初となる燃料電池バスの運行なども取り組んでおり、また令和然位はゼロカーボンシティの宣言を行っている。
最新技術の開発等も一方で行い、また市民の意識の啓発なども同時に進めながら、2050年のゼロカーボンに向けて力強く取組みを進める状況は大いに参考になる。