9月2日、本日9月定例会が招集され、28日までの約1カ月の会期が決定されました。
初日の今日は、通常は市長から提出議案の理由説明を行い、散会しますが、昨日の市立甲府病院の「放射性物質の小児への過剰投与」の件があり、提案理由説明に先立ち、市長から謝罪発言がありました。,
終了後、全員協議会が開かれ、小沢市立甲府病院長から経過説明と今後の対応について説明がありました。説明内容は報道されているものとほぼ同じでした。
おりしも、福島原発事故以降「放射線」に対する世間の関心が高く、ナーバスになっている状況もあり、全国ネットでのニュースになってしまってます。
今回問題となっているのは、RI(ラジオ・アイソトープ)検査の際使用する放射性医薬品テクネシウムが15歳以下の子ども、わかっているだけで84名に対して学会のガイドラインに示されている「推奨投与量」を超えて投与されていたこと、医師等によるチェック体制がなく、放射線技師にまかせっきりだったこと、が報道等で指摘されているところです。
なぜ、過剰投与されていたかについては、子どもは検査中に動きやすく、動いてしまうと画像が不鮮明になってしまい、診断に使えなくなるため、量を多めにして、動いても画像が鮮明になるようにしたそうです。’, NULL, NULL,
このテクネシウムというのは、人工的につくられた元素で半減期が6時間と短く、投与後数日で消失するそうです。被ばくによる影響が少ないとされていますが、対象が小児であることから、問題が複雑化しています。
全員協議会で発言させていただきましたが、検査技師も医師も医療のプロであり、「推奨投与量」を守るということは大前提でお互い仕事をしているはず。おそらく医師もまさか投与量を守っていないなんてことは夢にも思っていなかったはずです。それほど、チームでの仕事は一人ひとりがコンプライアンスのもと役割を果たしてこそ成り立つものであり、プロの世界ですから誰もがきちんと役割をはたしていると思って当然だと思います。特に、人の生命・健康にかかわる医療現場では、皆さんが患者のことを第一に考えて自分の役割を果たそうと考えている、と私は信じています。
チェック体制をより強化することも大事でしょう。しかし、残念でなりません。なぜなら、推奨投与量をいかなる理由にせよ守っていれば済んだ話です。チームで仕事をするときに基本は「コンプライアンス(法令順守)」。最低限のことを守っていれば起こり得なかった今回の問題。体制強化という外発的力に次第に頼らざるを得ないほどの組織の状況であれば、私は病理現象ではないかと危惧します。
あくまでも一人ひとりのもう一度の意識の高揚、「内発力」を引き出すことを考えるべきではないか。なぜなら、どんな組織、制度であってもそれを動かすのは「人」だからであり、組織や制度を生かすもだめにするのも、それに携わる「人」だと思うからです。
甲府の名前がこんな形で全国に発信されてしまったことに、開会日からどんよりです。