4日午後から、地区内に住む知人から市民相談を受けた。
現在、ご主人が79歳、奥さんが75歳の高齢夫婦で、子どもたちはすでに独立し、二人暮らし。今年に入って、上あごに激痛が走り、耐えかねてかかりつけの医院で診察を受けたところ、精密検査が必要といわれて、県病院へ検査入院したそうである。
約1か月半の検査入院で判明した病名が、上あごから頬骨にかけての悪性腫瘍、すなわち「がん」である。幸い他への転移はなく、手術をすれば何とかなるとの医師の説明に、ご主人も決断し、6月に上あごと頬骨の切除手術を受けた。
予後の経過は順調だが、上あごを切除して上の歯も全部摘出し、モノをかむことが出来なくなったため、退院後は3度の食事はすべて奥さんの手作りの流動食。障害者認定を受けて少しでも福祉サービスを受けて負担の軽減を図りたい、というのが相談の内容である。
手帳の取得方法などを説明し、約1時間半ご夫妻と懇談させていただいた。ご主人はしきりに奥さんへの感謝を口にしていた。健康で体力にも自信があり、医者にかかったことなどこれまでの人生で一度もなかったが、まさかこんな病気になるとは。
病気になって、奥さんの献身的な看護にこれまでの生き方を反省し、心から感謝している、とのご主人の言葉は、実に重い。病気になって初めて、「何事もない平凡な暮らし」のありがたさが身に染みた、ともおっしゃっていた。早く良くなってまた公園の清掃のお手伝いをしたい、ともったいない言葉をいただいた。改めて夫婦の絆についても教えられた気がする。
市民相談にはこうしたドラマが数えきれないほどある。懸命に支え合って生きている無名の庶民によってこの地域、この日本が成り立っている。今もこうしている間に同じようなドラマが繰り広げられているに違いない。
だから市民相談にはいつも全力投球である。