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市議会議長会前期研修

8月4日午後から山梨県市議会議長会主催の議員合同研修に参加した。県内の市議会議員を対象に毎年開催されるもので、今回は講師としてあのデモテックを創設した取手市議会前議会事務局次長の岩崎弘宜氏をお迎えして、「議会が遠い存在になっていませんか?~議会を身近に感じていただくには~」と題して講演をいただいた。

岩崎氏とは、取手市議会前議長の斎藤久代議員からご紹介いただいて、FBで情報交換のやり取りをさせていただく間柄で、あのデモテックの主導者、また「チーム取手市議会」のキーパーソンとして一度お会いしたかった方である。氏は、公務員アワード2021賞、特別協賛社賞(電通CP塾賞)、特別協賛社賞(VOTE FOR賞)をトリプル受賞した経歴を持ち、地方公務員が本当にすごいと思うスーパー公務員である。

コロナ真最中の甲府市議会で議会改革を検討しているときに、タブレット端末を使った委員会運営をすでに実行しており、360度カメラを使った運営に目を見張ったほどである。どうしてもリアルでの委員会出席がかなわないときに、市民から負託を受けた議員の本来的使命である議論にオンラインでも参加して職責を果たしたい、という場合にその機会を確保することは成熟した議会であれば当然のことである。

取手市議会は、ICTを活用して新しい民主主義を創造するという目的のもと、早稲田大学等と協定してデモテックを創り上げている。その主目的はあくまでも議会が住民福祉の向上のために存在するということから出発して、いかなる事態でも住民福祉向上のために議会が機能するようにという点にある。パンデミックの事態であっても大規模災害の事態であっても、議会がその本来的な機能を果たすための環境を整備することは、我々甲府市議会でBCPを検討したときに参考にしてきたことである。

こうしたICT活用は委員会では国も認めているが、議会が活動能力を持つ「本会議」では未だ議場に現在することが出席の要件として、本会議でのタブレット参加を認めていない。自治法の改正が必要であるため、甲府市議会でも昨年3月にタブレット参加を認めるべく自治法を改正してほしいという意見書を国に送付している。もちろん、共産、社民は訳のわからない理由で反対したが。

諸外国に比べて圧倒的にデジタル化が遅れている我が国にあって、特に地方議会にあっては、地方の課題を解決するために何としても議会の議論に参加して職責を果たしたい、と考える議員は多く存在し、オンラインがこうした課題を解決する方途であればぜひこれを認めるべきである。甲府市議会で意見書を議論したときに、時代錯誤的な反対意見、すなわち、国が議論を始めたばかりで地方で先行するのは時期尚早とか、出産、育児、介護などで議場に来れないのであれば休むべきだ、といったまるで見当違いの反対があったのは事実である。我々は「出たいのに出られない」といった場合にどうしたら出られるようにしてあげるか、を考えており、教条主義的に来れないなら来るべきではない、といった民主主義を否定するような考えは決して取らない。

こうした背景を知っているだけに、岩崎氏の講演は実に示唆深いものである。一番感銘を受けたのは、「議会愛」という考えである。氏は何とか取手市議会を宣揚しようという強い思いのもと、議員とお互い「パートナー」という立場で物事を進めようとしてきた。だから、議員が「主人」で事務局職員はその「使用人」では決してない、という思いがひしひしと伝わってくる。甲府市議会で私が議会事務局を議会局に再編しようと提案をしたときに、強く訴えたのは氏と同じく議員と議会局職員とのパートナーシップの構築である。これまで職員を「部下」のごとく勘違いして扱ってきた議員も残念ながらいるようである。私も県庁職員だった経歴から、勘違い議員の扱いは学んできたが、こうした議員は淘汰されていくことは必至である。

さらに取手市議会のAIを活用した議事録の作成の事例を教示していただき、その視点がどこまで行っても「市民福祉の向上」にあることを実感した。

最後にこうしたICTを活用した取手市議会の取組みがなぜこうまでスピーディに実行できたか、という締めくくりとして、先に触れた「チーム議会」という考え、これを可能にしたのは、議員が目線を下げたことにあると強調しておられた。氏は気を使った表現をしておられたが、要はおそらく知見やノウハウ、スキルが圧倒的に劣っている我々議員は「謙虚に」職員をリスペクトして良好な「パートナーシップ」を構築すること、ということである。これは今後の甲府市議会の運営でも大いに参考にすべき点である。なぜ取手市議会に出来て甲府市議会に出来ないのか、である。

講演終了後に、直接岩崎講師にお声かけさせていただき、お礼と今後のご指導をお願いして名刺交換させていただいた。

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