2023年6月定例会に3度目となる、核兵器禁止条約の批准を政府に求める請願が提出された。
今回は前2回と異なり、紹介議員に共産党、社民党以外の議員が名を連ねた。驚くべきことに全員自民党籍といわれる政和こうふの全議員が紹介議員となった。極めて異例のことである。通常は会派の代表が紹介議員に名を連ね、他の議員は採決時に賛成の意思表示をする。しかし全員が紹介議員、しかも共産党、社民党と一緒に紹介議員とは。一体、前回までの体を張った自民党議員はどこにいってしまったのか。
私が当時怒ったのは、令和2年3月定例会で、全会一致で、批准より橋渡しを、という内容が決議され、その後市議会に足蹴にされたと中傷されても立場を守ってきたのに、全会一致の意見書をつくらせた当の本人が何の説明もなく、態度を180度変え、条約批准の請願を先頭に立って旗振りした点である。
あの年代の人間なら、原水爆禁止運動がどういう状況に陥ったかその歴史を知っているはずである。その運動は、核廃絶よりもなぜか日本政府に向けられ、核保有国へのアプローチが薄れていたように見える。核を持たない日本がいくら核禁条約に批准しても核廃絶に直ちにつながるとは思えない。核保有国にアプローチしなければ、核廃絶などあり得ない。しかし、彼らはそういう努力をしようとせずなぜか日本政府に足かせをはめようとしている。
結局政和こうふ10人、共産党3人、社民党系2人、無所属2人の計17名によって令和2年の全会一致の意見書は事実上破棄された。私は傍聴席に詰めかけた団体関係者の前で、堂々と公明党の主張、政府の主張に基づいた不採択にすべしという反対討論を行った。条約に批准すれば直ちに核廃絶が実現できるのか、という問いかけに彼らは沈黙したままである。採決の結果は、賛成17,反対4、棄権10という結果である。こうなると意見書も甲府市議会名ではなく、甲府市議会有志にすべきではないか。
この賛成17名という数字がどういう意図を持つか。今年の6月議会が近づくにつれ次第に明らかになる。
なお、甲府市議会に請願を採択させた例の団体は、それから時間を置かずに運動の成功を祝し、記念の報告書を作成して早々解散したようだ。核廃絶まで運動を継続するのかと思ったら、請願採択をもって解散とは。しかもその報告書に呑気に寄稿を寄せている議員がいると聞いた。こうなるとただの趣味の活動に過ぎなかったのではないかと勘繰られても仕方あるまい。