8月6日に北杜市の八ヶ岳やまびこホールで市議会議長会議員合同研修会が開かれた。
講師は、かって読了したことのある「さらばガラパゴス政治」の著者である野中尚人学習院大学法学部教授である。国会の現状に触れながら、本会議の議論が低調な一つの要因が与党による議案の事前審査制度にあると指摘している。
国会に提出される議案はすべて与党自民党の了承を事前に受けることが条件づけられており、この段階では活発な議論もあるが、いったん了承され閣議決定されて国会に提出されれば、本会議では与党からの議論はまず行われなくなる。多分議論の段階は終わっているということだろう。
中心となるのは野党による質疑であり、与党からは議案に注文を付ける質疑はまずない。しかも質疑が中心で野党対政府という図式であるため、皮下彫りした議論にはなりにくい。これは国が議院内閣制を採用していることから必然的な結果である。
地方議会は2元代表制を採用していることから国会のように与党野党の概念はそもそもない。議会という機関と首長との機関競争が予定されている。ただし、法制度上機関としての意思決定を可能にする制度がなく、議会内部での議論を通じた意思決定という理想からは程遠い状況となっている。
講師の野中教授は議院内閣制に大いなる期待を寄せていたが、残念ながらイギリスの議院内閣制とは程遠い状況にあるのが我が国の議院内閣制である。
これには重要な視点が欠落している。それはどんなに立派な制度があってもこれを動かすのは「人」であり、かってのように議員が「選良」と言われていた時代とは程遠い政治状況のもとでは、制度があっても絵にかいた餅に終わってしまう恐れが多分にあるということだ。