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所信表明制度導入

5月22日、改選後初となる甲府市議会の臨時議会が招集され、議会3役をはじめとする各委員会の構成等を決定した。

このうち、議長、副議長については、私も関わり事実上の立候補制、所信表明制を今回初めて導入した。

この4月に甲府市が中核市に移行し、なおかつ開府500年という歴史的佳節を迎え、さらに5月からは令和がスタートするなど、新しい時代の幕開けを感じさせるこの時に、市議会も「ふさわしい」あり方へと脱皮すべきことは多くの方が賛同されるだろう。

既に、多くの自治体で議会基本条例を制定し、行政のチェック機能はもちろんのこと、その執行権に正当性を付与する「議決機能」、多様な市民意見を集約調整し、これを政策として提言する機能など、負託を受けている市民に対して、議会からの説明責任を果たす局面にさしかかっている。

議会改革の第2ステージと呼んで、これまでの「議会は何をしているのか分からない」といった批判に懸命に答えようとしている。

先進自治体が次々と新たな局面に差し掛かっている状況の中で、我が議会が現行の議会制度に内在する課題について目をそらし、これまでと同じありかたで今期もやり過ごそうとしていいのだろうか。

これまで議会の意思決定システムが現行制度では不十分であり、決定に至るまでの議論が「機関」としてなされていないことを幾度となく折に触れて指摘してきた。「議決」が単に個々の議員の賛否の単純集計にすぎず、構成員である議員同士の議論を通じた最終的な意思決定とは程遠いことは意識が高い議員であればだれでも簡単に気が付く点である。

今この時を逃しては甲府市議会が成熟した議会へと脱皮する機会は永遠にめぐってこない。だからこそ改革マインドをもった議員との連携の道を模索し、その結果、基本的な理念の共有が出来たところと「改革」という一点で連携が生まれた。

ただし、議会という機関が市民のために機能しなければ本末転倒であることから、私としては「分断」の結果を招くようなあり方はもとより望むところではなく、すべての会派が議会機能のより一層の進化を共通の理念として受け入れてもらえることを願ってきた。

条例化を最終的に目指すことを念頭におき、まず出来るところから改革の一歩を踏み出そうと、議会報告会という形の市民との意見交換会、政策条例の制定を目指すうえで不可欠な議員同士の討議システム、議会の見える化、手始めに議長選、副議長選の事実上の立候補制と所信表明の実施について、最低限これだけはという点でいくつか認識を共有できたところがある一方で、残念ながらこうした課題意識を会派のなかで共有できていないと思われる会派もあった。

今回の議長選、副議長選はこうした改革についての各会派の考え方をうかがい知ることのできる絶好のツールとしての所信表明制の導入が実現した。なかにはしぶしぶのところもあったが、代表者会議で押し切られた。

所信表明制は、いつ決まったのか説明に窮するこれまでの決定の仕方を改め、考えを聞いて投票したという「判断根拠の明確化」を狙いとしている。しかも勝ち負けではなく、所信表明と投票判断が市民にとって納得のいくものであること、そこに「議会もしっかりと考えて行動しているな」と議会に対する信頼を築くきっかけとなることの期待が込められている。

だからこそすべての会派が議長、副議長に会派を代表する者を擁立して、改革に対する熱い思いをぶつけあってほしい、と所信表明制を提案し、実施に移したのである。議長になりたいのであれば、所信表明で思いを熱く語り、支持を集めればよい。何もせずに時が来れば議長職が自然にやってくる時代ではない。

残念ながら直前になって「立候補」を見送る会派があった。新聞報道では、「勝てる見込みがなくなったから」とある市議の話を引用して理由を分析している。

これでは、会派全体が改革に後ろ向きととらえられても致し方ないこととなる。今回の選挙は「改革をするか否か」「するとすれば如何なる改革をするか」を選択する選挙ではなかったか。

この報道を知ったとき、失望感しかない、というのが本音である。新聞報道はあくまで表面的であり、今回の所信表明制が単なる議長ポスト争い、今後の議会内でのヘゲモニー争いと矮小化される結果となってしまった。実に残念である。

所信表明で我々が期待する、議会報告会、議員間討議、議会の見える化を公約に掲げた候補が支持され、議長、副議長に選出された。

我々は新たな議長、副議長の下、最終的に条例化をにらみながら、「改革」に関する論点整理を早急に行い、仕組みづくりを今年度中に実現すべく動き出す考えである。もはや待ってはいられない。

やれやれ やれやれ

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