8月7日14時からアピオにて市議会議長会議員合同研修(前期)が開かれた。講師は、議会改革で知られた長野県飯綱町前議長の寺島渉氏である。
改めて当事者からお話を伺うと、我々以上に追い込まれた状況からの議会改革への立ち上がりであったことが伝わってくる。
平成17年に旧牟礼村と三水村が合併して飯綱町が誕生した直後、旧牟礼村の第三セクター「飯綱リゾート開発(株)」が突然経営破綻。金融機関と旧牟礼村が損失補償契約を結んでいたために、金融機関に町は裁判を起こされ、全面敗訴。約8億円(他の金融機関含め)を支払うことになった。住民から厳しい批判、議会のチェック機能は果たされていたのか。議決責任と説明責任が問われた(講演資料より引用)。
これを議会改革のチャンスととらえ、まず、全住民を対象にアンケート調査を実施した。その結果、実に75%もの住民が議会・議員に対して厳しい評価を下した現実に衝撃を受け、この現実から改革に向けて出発した。
平成20年1月から半年間で、30数回の学習会と自由討議を重ね、目指す議会像と8項目の改革課題を整理した。
目指す議会像とは次の6項目である。
①住民に開かれた議会 ②町長と切磋琢磨する議会 ③活発な討論が展開される議会 ④住民の声を行政に反映する努力を貫ける議会 ⑤飯綱町の住民自治発展の推進力となれる議会 ⑥政策提言のできる議会。
10年以上前にすでに我々が目指そうとしているところを整理していることに脱帽する。
この後直ちに、町民に信頼される議会をめざし、8項目の議会改革を宣言、平成20年9月議会から実践を開始した。
①一般質問に一間一答方式を導入、町長には反間権を認める ②町民に対して議会の議決責任と説明責任を果たす ③議会への住民参加を広げる ④議会の情報公開をさらに進める ⑤議員の資質向上に努め議員同士の自由討議を活発に行う ⑥議員の政策立案能力を高め、政策提言、条例制定などに取り組む ⑦行政への批判と監視機能を一層強化する ⑧政務調査費(当時)を条例化し、政策研究、町民への広報活動等に活用する。
そして、平成20年8月に議会だより特別号を発行し、こうした議会改革を町民に宣言し、飯綱町の議会改革がスタートした。
その後、4年余の議会改革の実践の成果も踏まえ、平成24年9月定例会で「議会基本条例」を制定、さらに新しい地方議会創りをめざした。
飯綱町の優れている点は、基本条例制定でゴールとするのではなく、「ツール」として位置づけ、時代の変化にあわせて将来の改正を考慮した点にある。
実際、平成27年6月に基本条例を一部改正し、議会広報モニター、議会の災害への対応、全国の先進議会への視察、交流等を積極的に取り組むことを追加した。
また毎年4月に「議会基本条例」に基づいて年間活動計画を作成し、確実に実行している。
飯綱町の実践は大いに参考となる。特に、寺島前議長が強調していた「議員の自由討議」と徹底的な学習は議会が「機関」であることを明確化するうえで重要な視点である。
議会改革が第1ステージから第2ステージへとステップアップしているといわれる中で、我が甲府市議会も統一地方選による改選後のスタートに初めて、議長選に事実上の「立候補制」を導入し、「公約」を聞いて投票する、というごく当たり前の制度をスタートさせた。
その結果、今年度中に「議会報告会」を実施するという公約を掲げた現議長が当選し、現在私も実施の企画運営の中心的役割を仰せつかって、11月の議会報告会の実現に向けて作業を急いでいる。
この時点での寺島氏の講演は非常にタイムリーであり、これを聞いた議員が改革マインドを改めて共有していただければと期待している。いよいよ甲府もステージに登場する日が近いている。